妊娠初期検査で何がわかるの?どんな検査をするのか、詳しく知りたい。
初めての妊娠で不安。検査結果が赤ちゃんや自分にどう影響するのか、安心して妊娠生活を送るための情報が欲しい。
このような疑問を解決していきます。
総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる
妊娠初期に受ける検査、初めての妊娠だと特に不安ですよね。「どんな検査をするの?」「検査結果はどうなるの?」と心配になるのも当然です。この記事では、妊娠初期検査の内容とその意義について詳しくお伝えします。あなたが安心して妊娠生活を送れるように、検査のポイントや意味をわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠初期検査の内容とは?
妊娠初期の検査は、赤ちゃんとママの健康を確認するためにとても大切です。初めての妊娠では特に、どんな検査が行われるのか不安や疑問を感じることも多いかもしれません。ここでは、妊娠初期に行われる検査の内容とその重要性、検査データの見方について、わかりやすく解説していきます。安心して検査を受けるための参考にしてくださいね。
まずは妊娠初期検査でどのような検査が行われるのかみていきましょう。
- 血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)
- 血算
- 血糖
- B型肝炎抗原
- C型抗原抗体
- HIV抗体
- 梅毒血清反応
- 風疹抗体
- 子宮頸がん検査
- 子宮細胞診
血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)
妊娠が確認されると、まずはママの健康状態をチェックするためにいくつかの検査を行います。その中でも重要なのが血液型の検査です。血液型検査は、ママと赤ちゃんの健康を守るために必要な情報を得るために行われます。
- ABO血液型
ABO血液型は、A型、B型、AB型、O型の4つのグループに分かれます。これは、血液中の赤血球にある特定の物質(抗原)の違いによって分類されます。ママのABO血液型を知ることで、万が一出産時に大量の出血があった場合に適切な輸血を迅速に行うための準備ができます。
- Rh血液型
Rh血液型は、Rh陽性(プラス)とRh陰性(マイナス)の2つに分かれます。これは、赤血球の表面にある別の抗原(Rh抗原)の有無によって決まります。ママがRh陰性で赤ちゃんがRh陽性の場合、ママの体が赤ちゃんの赤血球を攻撃してしまうことがあります。このため、Rh陰性のママには特別な注意が必要です。心配がいらないRh血液型は、Rh陽性(プラス)です。Rh陽性の人は99.5%、Rh陰性の人は0.5%で、日本では200人に1人がRh陽性です。
- 不規則抗体検査
不規則抗体検査は、ママの血液中に異常な抗体がないかを調べる検査です。これらの抗体が赤ちゃんの赤血球を攻撃する可能性があるため、妊娠中に問題を引き起こすことがあります。もし不規則抗体が見つかった場合、さらに詳しい検査や治療が必要になることがあります。
血算
妊娠が確認されると、ママの健康をしっかりチェックするためにいくつかの検査を行います。その中でも「血算」と呼ばれる血液検査はとても重要です。血算は、ママの体が妊娠にうまく対応できるかを確認するために必要な情報を提供してくれます。
- 赤血球数(RBC)
正常値:383〜453(万/mm3)
赤血球は、体の隅々まで酸素を運ぶ役割を果たします。赤血球の数が多すぎても少なすぎても問題です。妊娠中は特に鉄分が必要なので、赤血球の数をチェックすることで貧血の有無を確認します。
- 白血球数(WBC)
正常値:5540〜9280(/mm3)
白血球は、体を守るために働く免疫細胞です。白血球の数が増えていると感染症や炎症のサインかもしれません。逆に少なすぎると体を守る力が弱くなってしまうので、しっかりチェックします。
10000/mm3を超えている場合、何らかの感染症にかかっている可能性があり他の検査を行うことがあります。
- 血小板数(PLT)
正常値:18.0〜29.6(万/μl)
血小板は、血液を固めて出血を止める役割を担います。血小板の数が少ないと、出血しやすくなるため注意が必要です。妊娠中は出産時に備えて血小板の数も重要です。
150000/μgを切っている場合、血液の病気が心配になります。
- ヘモグロビン(Hb)
正常値:11.5〜13.5(g/dl)
ヘモグロビンは、赤血球に含まれるたんぱく質で、酸素を運ぶ働きをします。ヘモグロビンの量が少ないと、酸素がうまく運ばれず、貧血の症状が出ることがあります。
妊娠中は、Hb:11.0mg/dl未満が貧血です。
- ヘマトクリット(Ht)
正常値:34.2〜40.0(%)
ヘマトクリットは、血液中の赤血球の割合を示します。これも貧血の指標となります。妊娠中は血液量が増えるので、この数値も重要です。
妊娠中は、Ht:33.0%未満が貧血です。
また、Htが40%を超えている場合は血液の病気が疑われます。
妊娠初期検査の血算では、赤血球の状態をさらに詳しく調べるためにMCV、MCH、MCHCという3つの値も測定します。
- MCV(平均赤血球容積)
正常値:83.9〜93.9(fL)
MCVは、赤血球の大きさを示す値です。赤血球の大きさが異常だと、何か問題がある可能性があります。
[大きすぎる場合]ビタミンB12や葉酸の不足が考えられます。
[小さすぎる場合]鉄分の不足が原因であることが多いです。
妊娠中は特に鉄分が必要なので、赤血球の大きさをチェックすることで貧血のリスクを早めに見つけることができます。
妊娠中は、MCV:79fL未満が貧血です。
- MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)
正常値:28.1〜31.9(pg)
MCHは、1つの赤血球にどれくらいのヘモグロビン(酸素を運ぶたんぱく質)が含まれているかを示します。
[少なすぎる場合]鉄分不足による貧血が考えられます。
[多すぎる場合]ビタミンB12や葉酸不足による貧血の可能性があります。
この値を見ることで、どの栄養素が不足しているかを把握し、必要な対策を取ることができます。
- MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)
正常値:32.4〜35.0(%)
MCHCは、赤血球の中にどれくらいの濃度でヘモグロビンが含まれているかを示します。
[低すぎる場合]鉄分不足による貧血が考えられます。
[高すぎる場合]異常な赤血球の破壊が起こっている可能性があります。
MCHCは、ヘモグロビンの濃度を見ることで、赤血球の機能が正常に働いているかどうかをチェックします。
生化学
生化学検査は、ママの体の健康状態を総合的に把握し、妊娠に伴う体の変化や潜在的な健康問題を早期に発見するために行われます。
- AST(GOT)
正常値:10〜40 IU/L
肝臓の健康状態をチェックします。肝臓がダメージを受けていると、この値が高くなります。
- ALT(GPT)
正常値:5〜40 IU/L
肝臓の健康状態をチェックします。肝臓がダメージを受けていると、この値が高くなります。
- ALP(アルカリホスファターゼ)
正常値:38〜113 IU/L
肝臓や骨の健康状態をチェックします。妊娠中は自然に高くなることもありますが、異常に高いときは問題があるかもしれません。
- BUN(血中尿素窒素)
正常値:8〜22 mg/dL
腎臓が正常に働いているかを確認します。値が高いと腎臓に問題がある可能性があります。
- クレアチニン
正常値:0.47〜0.79 mg/dL
腎臓が正常に働いているかを確認します。値が高いと腎臓に問題がある可能性があります。
- 空腹時血糖
正常値:70〜99 mg/dL
血糖値(血液中の糖分)をチェックします。高いと糖尿病のリスクがあります。
- HbA1c
正常値:4.6〜6.2%
過去2〜3ヶ月の平均的な血糖値をチェックします。
- 総コレステロール
正常値:150〜219 mg/dL
血液中の脂肪の量をチェックします。高いと心臓病のリスクがあります。
- トリグリセリド
正常値:50〜149 mg/dL
血液中の脂肪の量をチェックします。高いと心臓病のリスクがあります。
- ナトリウム
正常値:136〜147 mEq/L
体の水分バランスを保つために重要な成分です。
- カリウム
正常値:3.6〜5.0mEq/L
筋肉や心臓の正常な働きを保つために重要な成分です。
- カルシウム
正常値:8.5〜10.2 mg/dL
骨や歯の健康、筋肉の機能に必要な成分です。
血糖
妊娠初期の血糖値検査は、ママと赤ちゃんの健康を守るために欠かせない検査です。血糖値を正常範囲内に保つことで、妊娠中の合併症を予防し、安心して妊娠生活を送ることができます。
正常値は、100mg/dlです。
- 高血糖
血糖値が高すぎる状態を高血糖と言います。妊娠中に血糖値が高いと、妊娠糖尿病という状態になることがあります。これは、赤ちゃんが大きくなりすぎたり、出産時に合併症を引き起こすリスクを高めることがあります。
- 低血糖
血糖値が低すぎる状態を低血糖と言います。低血糖になると、めまいやふらつき、疲れやすさなどの症状が出ることがあります。ママの体が十分なエネルギーを供給できなくなるため、赤ちゃんの成長にも影響が出ることがあります。
この検査で正常値を超える場合、「75gOGTT」という糖尿病を診断する検査を行うことが多いです。
- 空腹時の血糖値測定
まず、空腹時に血糖値を測定します。検査前には8〜12時間の絶食が必要です。病院の指示に従ってくださいね。
- ブドウ糖の摂取
次に、75gのブドウ糖が溶けた水を飲みます。このブドウ糖は甘く、少し飲みにくいことがありますが、検査のために必要です。
- 血糖値の測定
ブドウ糖を飲んだ後、1時間後と2時間後に血糖値を測定します。この3回の血糖値を比較することで、体がどれくらい効率よくブドウ糖を処理できるかを確認します。
B型肝炎(Hbs抗原)
妊娠初期には、ママがB型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを確認するために、B型肝炎抗原(HBs抗原)の検査が行われます。HBs抗原が陽性の場合、出産時に赤ちゃんへの感染リスクが高まるため、早めに対策をとることが大切です。日本でのHBs抗原陽性率は約0.2〜0.4%です。
陽性となった場合、さらにHBe抗原検査を行い、血液中でウイルスが活発に増殖しているかを調べます。この検査も陽性であれば、HBV-DNA定量検査で体内のウイルス量を測定します。高い数値(200,000 IU/ml以上)が出ると、赤ちゃんへの感染リスクが高まることが分かっています。
B型肝炎に感染しているママから赤ちゃんに胎内感染するリスクは約5%ですが、出生後すぐにワクチン接種と免疫グロブリン投与を行うことで感染リスクを大幅に減らすことができます。
B型肝炎の感染が確認された場合の分娩後の対応は次のようになります。
- 赤ちゃんへの予防接種(HBワクチン)
赤ちゃんが生まれてすぐにB型肝炎のワクチンを接種することで、感染を防ぐことができます。
ワクチンは①生後12時間以内②1ヶ月③6ヶ月の3回皮下注射で打ちます。
- 免疫グロブリン投与(HBIG)
赤ちゃんには、ウイルスに対する免疫をつけるための免疫グロブリンも筋肉注射で投与されます。
免疫グロブリンは生後12時間以内を目安に行います。
- 定期的な検査
ママと赤ちゃんの健康状態を定期的にチェックし、適切な治療を行います。赤ちゃんは1歳を目安に、B型肝炎ウイルスに感染していないか、抗体はついているのかを確認するため「Hbs抗原検査検査」「Hbs抗体検査」を行います。
B型肝炎ウイルスは母乳を通じて赤ちゃんに感染するリスクは非常に低いため、通常は母乳育児が推奨されます。ただし、母親の乳首に出血や傷がある場合は、医師と相談が必要になります。
C型肝炎(HCV抗体)
妊娠初期には、ママと赤ちゃんの健康を守るためにいくつかの検査が行われます。その中でも、C型肝炎抗体の検査は重要なもののひとつです。C型肝炎ウイルス(HCV)による感染を確認するために行われます。
抗体が陽性であれば、ママが現在感染しているか、過去に感染したことがあることを示します。妊婦さんのC型肝炎抗体の陽性率は0.3〜0.8%とされています。抗体が陽性の場合、追加の検査が必要です。
- 肝機能検査(AST・ALT)
これらの値が高い場合、肝臓に炎症があることを示します。
- HCV-RNA検査
血液中のウイルス量を測定し、現在の感染状態を正確に把握します。
Q.なぜB型肝炎は「抗原」を調べるのにC型肝炎は「抗体」を調べるの?
C型肝炎ウイルス(HCV)の場合、ウイルス自体の抗原は血液中に非常に少量しか存在せず、検出が難しいです。HCVの抗原は主に肝臓内で存在しているため、直接的に検出することが困難です。そこで、C型肝炎の検査では、ウイルスに対する体の免疫反応を調べる方法が取られます。
出産後の授乳に関してですが、母乳を通じたHCV感染のリスクは非常に低いとされています。そのため、HCVに感染しているママでも母乳育児は可能ですが、乳首に傷がある場合は注意が必要です。
HIV抗体
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫システムを攻撃するウイルスです。感染が進行すると、体を守るための免疫力が低下し、さまざまな感染症や病気にかかりやすくなります。最終的には、エイズ(後天性免疫不全症候群)を引き起こすことがあります。
妊娠初期にHIV抗体検査を行う目的は、ママがHIVに感染しているかどうかを早期に確認し、適切な対策を講じるためです。HIVに感染している場合、出産時や授乳を通じて赤ちゃんにウイルスが感染するリスクがあります。
HIV感染が確認された場合の対策はこのようになります。
- 抗レトロウイルス薬の投与
妊娠中に抗レトロウイルス薬を服用することで、ウイルス量を減少させ、赤ちゃんへの感染リスクを大幅に減らすことができます。
- 帝王切開の検討
ウイルス量が高い場合、帝王切開で出産することで感染リスクを減らすことができます。
- 母乳の代替
母乳を通じて感染するリスクを避けるため、人工乳(ミルク)を使用することが推奨されます。
- 赤ちゃんへの抗レトロウイルス薬の投与
出生後8〜12時間以内にシロップ状の抗レトロウイルス薬を赤ちゃんに与え6周後まで続けます。
梅毒血清反応
梅毒は、性感染症の一つで、皮膚や粘膜に潰瘍を形成し、全身に広がることがあります。早期に治療しないと、心臓や神経系などの深刻な合併症を引き起こすことがあります。
妊娠初期に梅毒血清反応の検査を行う目的は、ママが梅毒に感染しているかどうかを確認し、早期に治療を開始するためです。感染が確認された場合、適切な治療を行うことで、赤ちゃんへの感染リスクを大幅に減らすことができます。
- RPR(Rapid Plasma Reagin)検査
RPRは梅毒に感染した時に体の中で作られる特定の物質を見つけるためのものです。
- TPHA(Treponema Pallidum Hemagglutination Assay)検査
TPHAは梅毒の細菌(トレポネーマ・パリダム)自体に対する抗体を確認する検査です。
もし梅毒に感染していることが確認された場合、次のような対応がとられます。
- 抗生物質の投与
ペニシリンなどの抗生物質を使用して、感染を治療します。早期に治療を開始することで、赤ちゃんへの感染リスクを大幅に減らすことができます。
- 定期的なフォローアップ
治療後も定期的に検査を行い、感染が完全に治癒したかを確認します。
- 赤ちゃんの検査
出生後に赤ちゃんも梅毒の検査を受け、必要に応じて治療を行います。
風疹抗体
妊娠初期に風疹抗体検査をする目的には次のようなものがあります。
- 抗体がない場合
もしママが風疹に対する抗体を持っていない場合(または抗体が少ない場合)、風疹にかからないように注意します。その場合、人ごみや子どもが多い場所を避けることが勧められます。
- 家族へのワクチン接種
同居している家族にも風疹の予防接種を勧めることで、ママが風疹に感染するリスクを減らします。
- 産後のワクチン接種
妊娠が終わった後に、ママが風疹の予防接種を受けることで、次回の妊娠時に免疫を持つようにします。
妊娠初期に風疹感染が疑われる場合は、正確に診断するために追加の検査を行います。これにより、必要な対応を迅速に取ることができます。
妊娠初期に行われる風疹抗体検査の結果は、「抗体価」と呼ばれる数値で示されます。この抗体価は、体内にどれだけ風疹ウイルスに対する免疫があるかを示すものです。抗体価の結果は、8倍、16倍、32倍などの数字で表されます。それぞれの数値が意味するところを詳しく説明しますね。
- 8倍以下
この値は、風疹に対する免疫がほとんどないことを示します。この場合、ママは風疹に感染するリスクが高くなります。特に妊娠中は風疹に感染すると赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、特別な注意が必要です。人ごみや子どもが多い場所を避けましょう。
- 16倍
抗体価が16倍の場合、風疹に対する免疫はある程度ありますが、強い免疫ではないことを示します。この値は低抗体価とされ、感染するリスクが依然としてあります。感染予防のために、同居家族の風疹ワクチン接種を勧めたり、妊娠終了後のワクチン接種が勧められます。
- 32倍以上
抗体価が32倍以上の場合、風疹に対する免疫がしっかりとあることを示します。過去に風疹に感染したか、予防接種を受けたことがあり、免疫が確立されている状態です。この場合、風疹に感染するリスクは非常に低くなります。
Htlv1検査
妊娠初期にHTLV-1検査を行う目的は、ママがHTLV-1に感染しているかどうかを確認し、赤ちゃんへの感染リスクを低減するためです。感染が確認された場合、母乳を通じた感染を防ぐための対策が必要です。
- 人工乳育児
ママがHTLV-1に感染している場合、母乳を通じて赤ちゃんに感染するリスクを避けるため、人工乳(ミルク)を使用することが推奨されます。
- 定期的なフォローアップ
母親と赤ちゃんの健康状態を定期的にチェックします。
- 家族の検査
家族内での感染を確認するため、パートナーや他の家族も検査を受けることが勧められることがあります。
子宮細胞診(子宮頸がん検査)
妊娠初期に子宮頸がん検査を行う目的は、子宮頸がんの早期発見と治療です。妊娠中に子宮頸がんが見つかることはまれですが、もし発見された場合には、早期に適切な対応を取ることが大切です。
妊娠中の細胞は、太い綿棒のようなもので採取します。
- NILM(Negative for Intraepithelial Lesion or Malignancy)
NILMは「上皮内病変または悪性腫瘍がない」という意味です。つまり、この結果が出た場合、異常な細胞は見つからず、子宮頸がんの兆候はないことを示します。特別な治療や追加の検査は必要ありません。
- ASC-US(Atypical Squamous Cells of Undetermined Significance)
ASC-USは「意義不明な異型扁平上皮細胞」という意味です。これは、細胞に若干の異常が見られるが、はっきりとした病変が認められない状態を示します。この結果が出た場合、再検査やHPV検査を行ってさらに詳しく調べることが一般的です。
- ASC-H(Atypical Squamous Cells cannot exclude HSIL)
ASC-Hは「高度扁平上皮内病変(HSIL)を除外できない異型扁平上皮細胞」という意味です。これは、より深刻な異常細胞が存在する可能性があることを示します。
この結果が出た場合、コルポスコピー(拡大鏡検査)や生検(組織検査)を行い、詳細に調べます。
- LSIL(Low-grade Squamous Intraepithelial Lesion)
LSILは「低度扁平上皮内病変」という意味です。これは、軽度の異常細胞が存在することを示します。
通常、追加の検査や定期的なフォローアップを行い、異常が進行するかどうかを観察します。
- HSIL(High-grade Squamous Intraepithelial Lesion)
HSILは「高度扁平上皮内病変」という意味です。これは、より深刻な異常細胞が存在し、がんに進行するリスクが高い状態を示します。
この結果が出た場合、コルポスコピーや生検を行い、適切な治療を開始します。
- AGC(Atypical Glandular Cells)
AGCは「異型腺細胞」という意味です。これは、子宮頸部や子宮内膜に異常な細胞が見られることを示します。この結果が出た場合、さらなる検査や生検を行い、異常の原因を特定します。
- SCC(Squamous Cell Carcinoma)
SCCは「扁平上皮がん」という意味です。これは、子宮頸がんが発見されたことを示します。
この結果が出た場合、がんの進行度に応じて適切な治療計画を立てます。手術、放射線治療、化学療法などが考慮されます。
妊娠初期検査はいつする?
妊娠初期検査は、妊娠が確認された後できるだけ早い時期に行われることが大切です。具体的には、妊娠5〜12週頃に行われるのが一般的です。この期間内に初回の妊婦健診を受けることで、赤ちゃんの成長を確認し、ママの健康状態をしっかりとチェックすることができます。
妊娠初期検査の費用
初回の妊婦健診は、妊娠が確認された後に行われる最初の検診です。この検診では、妊娠の確定や妊娠週数の確認、超音波検査などが行われます。初回健診の費用は、一般的に5,000円〜10,000円程度です。
- 血液検査
血液検査では、ママの健康状態や赤ちゃんへの影響を確認するための検査が行われます。例えば、血液型(ABO型、Rh型)、貧血検査、感染症検査(風疹、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒など)があります。血液検査の費用は、1回あたり3,000円〜10,000円程度です。
- 尿検査
尿検査では、尿糖、尿蛋白、細菌感染の有無などがチェックされます。この検査は比較的低コストで、1回あたり500円〜1,000円程度です。
- 子宮頸がん検査
子宮頸がんの早期発見のために行われる検査です。細胞診検査が一般的で、費用は2,000円〜5,000円程度です。
- 超音波検査
超音波検査では、赤ちゃんの成長や心拍を確認します。初期の段階では、1回あたり3,000円〜8,000円程度の費用がかかります。
妊娠初期検査は、ママと赤ちゃんの健康をしっかりと確認するための大切なステップです。妊娠期間は新しい命を育む特別な時間であり、検査を通じて得られる情報は、安心して妊娠生活を送るための大切なサポートになります。もし不安なことや疑問があれば、いつでも気軽にご相談くださいね。
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