便秘でお腹が張った感じがして、とても不快。時々痛みもあって、本当に辛い。自然な方法で便秘を解消する方法があれば、教えてほしい。
妊娠中に便秘薬を使っても安全なのか心配。どんな便秘薬を選べばいいのか、ポイントや注意点があれば知りたい。
このような疑問を解決していきます。
総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる
妊娠中に便秘で悩んでいませんか?お腹の張りや不快感が続くと、本当に辛いですよね。この記事では、妊娠中の便秘を防ぐための毎日の習慣と、便秘になったときの対処法について詳しく解説します。現役助産師の視点から、安全で効果的な方法をお伝えしますので、少しでも快適なマタニティライフを送るための参考にしてくださいね。
初期妊娠の便秘でお腹パンパン!?原因を解説
初期妊娠で便秘になり、お腹がパンパンに張ることがあると、とても辛いですよね。ここでは、その原因についてお伝えします。
- ホルモンの変化
妊娠すると、体の中で「プロゲステロン」というホルモンが増えます。このホルモンは赤ちゃんを育てるために大切ですが、同時に腸の動きをゆっくりさせる働きがあります。腸がゆっくり動くと、便が長く腸の中に留まるため、便秘になりやすくなります。
- 子宮の成長
妊娠初期でも、赤ちゃんが成長するために子宮が少しずつ大きくなります。大きくなった子宮が腸を圧迫して、腸の動きを妨げることがあります。これが便秘の原因になることがあります。
- 水分不足
妊娠初期は、つわりで気持ち悪くなって、水分を十分に飲めないことが多いです。水分が足りないと、便が硬くなって出にくくなります。
- 食物繊維の不足
食物繊維は、便の量を増やして腸の動きを助けます。ただ、妊娠初期はつわりなどで食事が偏りがちになり、食物繊維を十分に摂れないことがあります。これも便秘の原因になります。
- 運動不足
妊娠初期は疲れやすく、運動が少なくなりがちです。運動が少ないと、腸の動きも鈍くなり、便秘が起こりやすくなります。
- ストレスと緊張
妊娠初期には、体の変化や赤ちゃんのことを心配して、ストレスや緊張を感じることが多いです。ストレスや緊張があると、腸の動きが乱れることがあります。
これらの要因が重なって、妊娠初期には便秘になりやすく、お腹がパンパンに張ることがあります。無理せず、できるだけリラックスして、体を大切にしてくださいね。
妊娠中の便秘はいつから始まる?原因と予防策
妊娠中の便秘は初期から後期にかけて、全期間にわたって見られることがあります。それぞれの時期にどのような原因で便秘が起こるのか、詳しく見ていきましょう。
- 妊娠初期
多くのママが妊娠初期(妊娠1〜3ヶ月)に便秘を感じ始めます。この時期には、体内で大きな変化が起こります。特に、ホルモンのバランスが大きく変わるため、腸の動きがゆっくりになり、便秘が起こりやすくなります。
- 妊娠中期
妊娠中期(妊娠4〜6ヶ月)になると、便秘の症状が続くことがあります。妊娠初期のホルモンの変化による影響はまだ受け続けていて、さらに子宮が大きくなり始めて腸を圧迫することもあります。このため、便がスムーズに通過しにくくなり、便秘が続くことがあります。
- 妊娠後期
妊娠後期(妊娠7〜9ヶ月)にも便秘が続くことがあります。この時期には、赤ちゃんが大きくなり、子宮がさらに腸を圧迫するため、便が出にくくなります。また、運動量が減ることや、出産に向けて体が準備をする過程で便秘が悪化することもあります。
妊娠中の便秘で腹痛はなぜ起こる?
妊娠中に便秘でお腹が痛くなると、とても辛いですよね。妊娠による体の変化が原因で、便秘になりやすく、その結果として腹痛を感じることが多くなります。
- 腸の圧迫
妊娠中は、子宮が大きくなり、腸を圧迫することがあります。これにより、腸の動きが制限され、便が詰まりやすくなります。この便の詰まりが腸を刺激し、腹痛を引き起こします。
- ガスの溜まり
便秘が続くと、腸内にガスが溜まりやすくなります。ガスが溜まると、腸が膨張し、腹痛を感じることがあります。特に、お腹が張って苦しいと感じる場合は、ガスが原因の可能性が高いです。
- 腸の動きの鈍化
プロゲステロンというホルモンの影響で腸の動きが鈍くなると、腸の中の便が硬くなり、排出しにくくなります。この硬い便が腸壁を刺激し、痛みを引き起こします。
妊娠初期の便秘で気持ち悪いのはなぜ?
妊娠初期に便秘が続くと、お腹の張りだけでなく、気持ち悪さも感じることがあります。
その原因を深掘りしていきましょう。
- 腸の動きの鈍化
便秘によって腸の動きが鈍くなると、消化不良が起こりやすくなります。消化がうまく進まないため、胃腸に不快感を感じ、気持ち悪さ(吐き気)を引き起こすことがあります。
- ガスの溜まり
腸内にガスが溜まることで、お腹が張って気持ち悪くなることがあります。ガスが胃腸を圧迫し、不快感を感じさせることが多いです。
- ホルモンの影響
妊娠中のホルモンの変化も気持ち悪さの一因です。ホルモンバランスの変動により、胃腸の働きが変わり、気持ち悪さを感じることがあります。
- 食べ物の消化不良
便秘が続くと、消化不良が起こりやすくなります。食べ物が胃や腸に長く留まることで、消化不良が起こり、気持ち悪さを引き起こすことがあります。
妊娠中の便秘で出そうで出ない時の解消法
ときに、便が肛門のすぐそばまで来ているのに出せないことがあると思います。
そんな時に役立つ具体的な対処法をいくつかご紹介しますね。
- 深呼吸とリラックス
深呼吸をしてリラックスすることで、肛門周りの筋肉が緩むことがあります。息をゆっくりと吸って、ゆっくりと吐くことで、体全体の緊張をほぐしましょう。
- 足を高くする
トイレに座ったときに足を少し高くすることで、肛門の角度が変わり、便が出やすくなります。小さな踏み台や本を使って足を高くしてみてください。スクワットポジションに近い姿勢にすると効果的です。
- 一度トイレから離れる
トイレで長時間座っていると逆に緊張してしまうことがあります。一度トイレから離れて、少し歩いたり、体を動かしたりしてから再びトイレに行くと、便が出やすくなることがあります。
- 水を飲む
一杯の水をゆっくりと飲むことで、体がリラックスし、腸の動きが促進されることがあります。水分を摂ることで、便が柔らかくなりやすくなります。
- 肛門をマッサージ
どうしても便が出てこないときは、使い捨ての手袋をつけて、オリーブオイルなどを人差し指に垂らし、肛門の内側を軽くマッサージする方法もあります。この方法で肛門の筋肉をリラックスさせ、便が出やすくなることがあります。また、硬い便が詰まっている場合は、指で優しく掻き出すこともできます。この時、無理をせずに、ゆっくりと行うことが大切です。オリーブオイルは滑りを良くし、肛門の内側を傷つけにくくするので、安全に行えます。
妊娠初期の便秘でいきんでも大丈夫?安全な対処法
妊娠初期の便秘でいきむことについては、次のポイントに気をつけてください。
- 軽い便秘の場合
妊娠初期の軽い便秘であれば、いきむことは基本的に問題ありません。しかし、無理に力を入れすぎると、肛門や直腸に負担がかかり、痔を引き起こすことがあります。また、過度にいきむことで血圧が上がることもあるため、ほどほどに適度な力で行うことが大切です。
- ひどい便秘の場合
便が非常に硬い場合や、長期間便秘が続いている場合は、無理にいきむことは避けた方が良いです。強くいきむことで、肛門や直腸に負担がかかり、痔を悪化させたり、出血を引き起こしたりするリスクがあります。
妊娠中に便秘にならない人の特徴とその理由
妊娠中の便秘は多くのママが悩む問題ですが、そんな中でも便秘にならない人がいますよね。どうして同じ妊娠期間中に便秘を避けられるのか、その理由が気になることもあると思います。便秘にならない人にはいくつかの共通した特徴があるので詳しく見ていきましょう。
- 健康的な食事を心がけている
食物繊維を多く含む野菜、果物、全粒穀物、豆類などをバランスよく摂取している人は、便秘になりにくいです。食物繊維は便のかさを増し、腸の動きを助ける働きがあります。また、適切な水分摂取も大切です。水分をしっかり摂ることで、便が柔らかくなり、排出がスムーズになります。
- 適度な運動をしている
定期的に適度な運動をしている人は、腸の動きが活発になります。ウォーキング、ヨガ、軽いストレッチなどの運動は、腸の動きを促進し、便秘を予防する効果があります。運動は血行を良くし、腸の筋肉を刺激するため、便秘になりにくくなります。
- ストレスを上手に管理している
ストレスが少ない生活を送っている人や、ストレスを上手に管理している人は、便秘になりにくいです。ストレスは腸の動きを乱し、便秘の原因になることがあります。リラックスする時間を持つことや、趣味を楽しむことでストレスを軽減できます。
- 規則正しい生活習慣を持っている
毎日規則正しい生活習慣を持っている人は、便秘になりにくいです。決まった時間に食事を摂り、十分な睡眠を確保することで、腸のリズムが整い、便秘を予防できます。特に朝食をしっかり摂ることは、腸の動きを活発にするために大切です。
- 水分をしっかり摂っている
十分な水分を摂取している人は、便秘になりにくいです。水分は便を柔らかくし、排出しやすくするために必要です。特に妊娠中は、体が多くの水分を必要とするため、こまめに水分を摂ることが大切です。
- 腸内環境が良い
腸内環境が良好な人は、便秘になりにくいです。ヨーグルトや発酵食品を積極的に摂取し、腸内の善玉菌を増やすことで、腸の動きを助け、便秘を予防することができます。乳酸菌や食物繊維、オリゴ糖を含む食品を摂ることも効果的です。
- 姿勢が良い
良い姿勢を保っている人は、腸の働きがスムーズになり、便秘になりにくいです。姿勢が悪いと、腸が圧迫されて動きが悪くなることがあります。特に座るときや歩くときには、背筋を伸ばして姿勢を正しく保つよう心がけてみてくださいね。
妊娠初期・中期・後期の便秘を解消する方法とは?
妊娠中の便秘は、多くの妊婦さんが経験する一般的な悩みです。妊娠の初期から後期にかけて、体の変化やホルモンの影響で便秘が起こりやすくなります。しかし、適切な対処法を知っておくことで、便秘を効果的に予防し、解消することができます。ここでは、妊娠期間全体を通じて便秘を解消するための具体的な方法をご紹介します。あなたが快適に過ごせるよう、ぜひ参考にしてくださいね。
- 水分をしっかり摂る
便秘解消の基本は水分です。毎日しっかりと水分を摂ることが大切です。水やハーブティー、薄めたフルーツジュースなど、カフェインの少ない飲み物をこまめに摂取しましょう。特に朝起きたときにコップ1杯の水を飲むと、腸が刺激されて動きやすくなります。水分を十分に摂ることで、便が柔らかくなり、排出がスムーズになりますよ。
- 食物繊維を多く含む食事を心がける
食物繊維は便の量を増やし、腸の動きを助ける働きがあります。野菜や果物、全粒穀物、豆類などを積極的に食べましょう。特に、プルーンやオートミールは便秘に効果的です。食事に取り入れることで、食物繊維を多く摂取できます。例えば、朝食にオートミールを食べたり、スナックとしてプルーンを食べるのがおすすめです。
- 適度な運動を取り入れる
軽い運動は、腸の動きを促進して便秘を解消するのに役立ちます。無理のない範囲で、毎日少しずつ体を動かすようにしましょう。ウォーキングや軽いストレッチ、妊婦さん向けのヨガなどが効果的です。運動は血行を良くし、腸の筋肉を刺激するため、便秘になりにくくなります。
- お腹を温める
お腹を温めることで腸の動きが活発になります。温かいタオルやカイロをお腹に当てて温めてみてください。お風呂で体を温めるのも効果的です。温めることで血行が良くなり、腸の動きが促進されます。特に夜寝る前にお腹を温めると、リラックスして眠ることができ、腸の動きも良くなります。
- 食事のリズムを整える
規則正しい食事のリズムを持つことが、腸の動きを整えるのに役立ちます。朝食は特に大切で、しっかりとることで腸が刺激されて動きやすくなります。毎日同じ時間に食事を摂ることを心がけましょう。これにより、腸がそのリズムに合わせて動くようになります。
- リラックスする
ストレスがたまると腸の動きが乱れ、便秘が悪化することがあります。リラックスする時間を持つことが大切です。深呼吸やヨガ、お風呂にゆっくり浸かるなど、自分がリラックスできる方法を試してみてください。リラックスすることで、副交感神経が働き、腸の動きが良くなります。
- トイレの時間を決める
毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう。朝食後は特に効果的です。決まった時間にトイレに行くことで、腸がそのリズムに合わせて動くようになります。トイレに行く時間を決めておくと、便意がなくても腸が動き始め、便が出やすくなります。
- 自然の便秘薬を使う
プルーンやイチジク、ヨーグルトなどの自然の便秘薬を試してみるのも一つの方法です。これらは腸の動きを助け、便秘を解消するのに役立ちます。プルーンは食物繊維が豊富で、ヨーグルトには腸内環境を整える乳酸菌が含まれています。これらを毎日の食事に取り入れてみてください。
妊娠中に使える便秘薬の選び方と注意点
妊娠中の便秘は多くのママが悩む問題ですが、どの便秘薬を使って良いのか迷ってしまいますよね。妊娠中は体が敏感になっているため、使える薬も限られています。
ここでは、妊娠中に使える便秘薬の選び方と注意点について、詳しく解説します。
医師に相談する
まず、便秘薬を使用する前に必ずかかりつけの医師に相談しましょう。妊娠中は体が敏感になっているため、自己判断で薬を使用するのは避けた方が安全です。医師があなたの体調や妊娠の進行状況を考慮して、適切な便秘薬を処方してくれます。
安全な成分を選ぶ
妊娠中に使用できる便秘薬には、次の成分が含まれているものが一般的に安全とされています。
- 乳酸菌やビフィズス菌
腸内環境を整える効果があり、便秘を自然に解消します。
- マグネシウム系の薬
腸に水分を引き込んで便を柔らかくする働きがあります。妊娠中は、酸化マグネシウムという薬がよく使われます。
- 食物繊維系の薬
便の量を増やし、腸の動きを助けます。
用法・用量を守る
医師の指示や薬の説明書に従って、正しい用法・用量を守りましょう。過剰に摂取すると、副作用が出ることがありますので注意が必要です。
長期間使用しない
便秘薬はあくまで一時的な対策です。長期間使用すると、腸が薬に頼ってしまい、自然な動きが弱くなることがあります。便秘薬は短期間にとどめ、生活習慣の改善を目指していきましょう。
体調の変化に注意する
便秘薬を使用している間は、体調の変化に注意しましょう。例えば、腹痛や下痢などの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談してみてくださいね。
自然な方法も試す
便秘薬を使う前に、まずは自然な方法を試してみましょう。水分を十分に摂る、食物繊維を多く含む食事をする、適度な運動をするなどの生活習慣の改善が効果的です。
妊娠中の便秘は辛いものですが、毎日の習慣を少し工夫するだけで、便秘の予防と解消に大きな効果があります。無理せず、自分のペースで実践してみてくださいね。もし便秘が続く場合や心配なことがあれば、かかりつけの医師に相談してみてください。
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