妊娠してからめまいがひどい。これって正常?それとも異常..?赤ちゃんへの影響も心配。
めまいで、仕事や家事を続けていく自信がない。めまいを感じたときにはどうしたらいいの?具体的な対処方法が知りたい。
このような疑問を解決していきます。
総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる
急に立ちくらみを感じたり、ふわっとした感覚に襲われると、不安になりますよね。特に初めての妊娠では、何が正常で何が問題なのか分からず、心配になることが多いと思います。
この記事では、現役助産師がめまいを克服するための具体的な対処法と、安全に過ごすためのヒントを詳しくお伝えします。安心して妊娠生活を楽しむために、ぜひ参考にしてください。
妊娠初期のめまいはいつから始まる?
妊娠初期に感じるめまいは、多くのママが経験するものです。
特に妊娠の初めの頃、つまり妊娠4週目から8週目くらいにかけて、めまいが現れることがよくあります。
この時期は、体が妊娠に適応し始めるため、さまざまな変化が起こります。
妊娠めまいの原因とは?知っておきたいポイント
間にクラっとしたり、突然ふわふわとした感じがすることがあると、不安になりますよね。特に初めての妊娠では、何が正常で何が問題なのか分からず心配になることも多いと思います。
ここでは、妊娠中のめまいの主な原因を一緒にチェックして、不安を少しでも軽減できるようにしていきましょう。
- ホルモンの変化
妊娠すると、体内でさまざまなホルモンが増加します。特に、妊娠を維持するために重要な「プロゲステロン」というホルモンが急激に増えることで、血管が拡張しやすくなります。これにより、血圧が低下し、めまいを感じることがあります。
- 血液量の増加
妊娠中は、赤ちゃんに酸素や栄養を供給するために、ママの体内の血液量が増加します。この増加に体が慣れるまで、血液の流れが一時的に不安定になり、めまいを引き起こすことがあります。
- 低血糖
妊娠中はエネルギーの消費が増えるため、血糖値が低下しやすくなります。食事を抜いたり、間隔が長くなったりすると、血糖値が低くなり、めまいを感じることがあります。これは、体が赤ちゃんにエネルギーを優先的に供給するためです。
- 貧血
妊娠中は、赤ちゃんに酸素を運ぶために、鉄分が多く必要となります。そのため、鉄分が不足しやすくなり、貧血になることがあります。貧血になると、脳に十分な酸素が供給されず、めまいを感じることがあります。
- 姿勢の変化
急に立ち上がったり、体の向きを急に変えたりすると、血圧が一時的に下がることがあります。これが「起立性低血圧」と呼ばれ、めまいの原因となります。妊娠中は特に注意が必要です。
妊娠初期に感じる回転性のめまいについて
妊娠初期に感じるめまいにはいくつかの種類があります。
その中で起こる「回転性めまい」は一般的ではありませんが、一部の妊婦さんが経験します。
めまいの種類を順番にみていきましょう。
- 立ちくらみ
これは最も一般的なめまいの一つです。急に立ち上がったときにクラっとしたり、視界が一時的にぼやけたりすることがあります。妊娠中のホルモン変化や血圧の低下が原因で起こります。
- ふらつき感
これは、体がふわふわと浮いているような感じや、バランスが取りにくいと感じることです。これも血圧の変動や血糖値の低下が原因となります。
- 回転性めまい
これは、自分や周りの景色がぐるぐる回っているように感じるめまいです。妊娠初期にこれを感じる人は少ないですが、ホルモンの変化や内耳の影響で起こることがあります。
妊娠初期に感じるめまいの多くは、立ちくらみやふらつき感が一般的です。回転性めまいを感じることは少ないですが、もし感じた場合でも心配しすぎず、体の変化に注意を払いながら過ごすことが大切です。めまいが頻繁に起こる場合や不安な場合は、かかりつけの医師に相談してみてくださいね。
妊娠初期のめまいに効果的な対処法を紹介
ここからは、妊娠初期のめまいに対する具体的な対処法を詳しくご紹介します。
日々の生活に取り入れてみてくださいね。
- ゆっくり動く
急に立ち上がると、血圧が急に下がりめまいを引き起こすことがあります。動きをゆっくりにすることを心がけましょう。
例えば、ベッドや椅子から立ち上がるときは、まず座った状態で数秒間待ちます。その後、ゆっくりと立ち上がります。長時間座っていたり、横になっていた場合も同様に、急に立ち上がらず、数秒間待ってからゆっくり動くようにしましょう。
- 水分をしっかり摂る
脱水はめまいを引き起こしやすくします。1日を通じて定期的に水を飲むようにします。特に喉が渇く前に水を飲むことが大切です。また、水だけでなく、スープやフルーツジュースなど、水分を含む食品も積極的に取り入れるのがおすすめです。カフェインは利尿作用があり、脱水を引き起こすことがあるので、できるだけ避けるようにしましょう。
- 栄養バランスの良い食事を心がける
栄養バランスの良い食事は、体の調子を整えるために欠かせません。
鉄分を豊富に含む食品を積極的に摂るようにしましょう。鉄分は赤血球を作るために必要で、めまいを予防する効果があります。ほうれん草、レバー、赤身の肉、豆類などが鉄分を多く含む食品です。また、ビタミンCを一緒に摂ると、鉄分の吸収が良くなります。オレンジ、いちご、キウイなどのビタミンCを含む果物を食事に取り入れましょう。
- 頻繁に軽い食事を摂る
血糖値が急に下がるとめまいを感じやすくなります。1日3回の大きな食事だけでなく、軽いスナックや果物を間に摂るようにして1日を通しての血糖値を安定させましょう。ナッツやヨーグルト、フルーツなどがおすすめです。また食事の間隔が空きすぎないように、小まめに食事を摂るのもおすすめです。
- 休息を取る
妊娠初期は体が疲れやすい時期です。無理をせず、疲れたら横になって休むことが大切です。特にめまいを感じたときは、安全な場所で休息を取りましょう。
昼寝を取り入れることもおすすめです。短時間でも横になることで、体がリフレッシュされますよ。
- めまいに備える
めまいを感じたときは、座るか横になるようにしましょう。ゆっくり深呼吸をして、めまいが収まるのを待ちます。
- 深呼吸をする
ストレスや不安もめまいを引き起こすことがあります。リラックスするために、深呼吸を取り入れましょう。静かな場所で、ゆっくりと深呼吸をします。鼻からゆっくり息を吸い込み、口からゆっくり吐き出します。深呼吸をすることで、心が落ち着き、ストレスが軽減されます。
- 医師に相談する
めまいが頻繁に起こる場合や、他の症状を伴う場合は、医師に相談することが大切です。かかりつけの医師に相談し、めまいの原因や適切な対処法を確認しましょう。
妊娠中のめまいで仕事を休むべきタイミングとは?
めまいは急に立ち上がったときや、日常の中でふとした瞬間に現れることが多いです。特に仕事中にめまいを感じると、どう対処すれば良いのか迷うこともありますよね。
ここでは、妊娠中のめまいで仕事を休むべきタイミングについて詳しくご紹介します。
- 頻繁にめまいを感じるとき
めまいが頻繁に起こる場合は、無理せずに休むことが大切です。体が疲れているサインかもしれません。休息を取ることで体調が回復し、めまいも和らぐことがあります。
- めまいが強くて立っていられないとき
めまいが強くて立っていられない、または歩くのが難しいと感じる場合は、すぐに座るか横になりましょう。このような状態では、安全のためにも仕事を休むことが必要です。無理をして動くと、転倒やけがのリスクが高まります。
- その他の症状を伴うとき
めまいに加えて、吐き気、頭痛、視界のぼやけなどの症状がある場合は、注意が必要です。これらの症状は、体がさらに休息を必要としているサインです。かかりつけの医師に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。
- めまいが収まらないとき
休んでもめまいが収まらない場合や、長時間続く場合も仕事を休む1つの指標にしてください。体が十分な休息を取れないと、症状が悪化することがあります。仕事を一時的に休み、しっかりと休息を取ることが大切です。
- ストレスが原因でめまいを感じるとき
妊娠中はホルモンの変化により、ストレスを感じやすくなります。ストレスが原因でめまいを感じる場合も、無理をせずに休みましょう。
- 仕事を続けるかどうか迷ったとき
もし、めまいがあるけれども仕事を続けるかどうか迷う場合は、上司や同僚に相談してみましょう。また、かかりつけの医師にも話してアドバイスを受けてみてくださいね。
妊娠中のめまいは心配になるかもしれませんが、これは体が赤ちゃんを迎える準備をしている証拠でもあります。無理をせず、しっかりと休息を取り、体の声に耳を傾けることが大切です。体調が優れない時は、一人で頑張らず、家族や友人に助けを求めてください。周りのサポートを受けながら、安心して過ごしましょう。そして、必要なときには遠慮せずに医師に相談することも忘れずに。あなたと赤ちゃんの健康が最優先です。安心して、幸せな妊娠期間を過ごしてくださいね。
コメント