【現役助産師解説】受精から着床までの全ステップ:妊活中に知っておくべきポイント

妊活

受精から着床までのプロセスがよくわからなくて、ちゃんと着床するかどうかが不安。どれくらいの確率でうまくいくのかとか、何か自分にできることがあるのかとか知りたい。

受精したとしても、着床するまでの間に何が起こるのか全然わからないから心配。特に体調とか、食事や生活習慣で気をつけるべきことはある?

このような疑問を解決していきます。

総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる

赤ちゃんを授かるまでには、精子と卵子が出会い、受精してから子宮に着床するまでの大切なステップがあります。このプロセスは体の中で命が育まれ始める瞬間でもあります。今回は、この流れについてわかりやすくお話ししていきます。妊活を考えている方や、これから赤ちゃんを迎えたいと思っている方は、ぜひお読みください。

受精から着床までのプロセス

妊娠が成立するまでのプロセスは、いくつかの重要なステップがあります。
それぞれのステップをわかりやすく説明しますね。

  • 排卵
    まず、女性の体の中で、卵巣から卵子が放出されることを「排卵」と言います。これは月に一度、通常は生理が始まる約14日前に起こります。排卵された卵子は、卵管という細い管に入ります。
  • 受精
    次に、男性の精子が女性の体内に入り、卵管内で卵子と出会います。精子と卵子が出会って結合することを「受精」と言います。受精が起こるのは、排卵から約1日以内です。
  • 受精卵の細胞分裂
    受精が成功すると、受精卵ができあがります。この受精卵は、細胞分裂を繰り返して成長しながら、卵管を通って子宮に向かいます。この移動には約3〜5日かかります。
  • 胞胚の形成
    受精卵が成長して、「胞胚(ほうはい)」という状態になります。胞胚は、将来赤ちゃんになる部分と、将来胎盤になる部分を含んでいます。
  • 子宮内膜への到達
    受精から約5〜6日後、成長した胞胚は子宮に到達します。子宮の内側は柔らかい組織で覆われていて、ここにくっつく準備をします。
  • 着床
    最後に、胞胚が子宮の内側にくっつくことを「着床」と言います。着床が成功すると、胞胚は母体から栄養をもらいながら成長していきます。このプロセスは受精から約7〜10日後に完了します。

受精から着床までの症状(体調の変化)

妊娠が成立する過程では、体にいくつかの変化が現れることがあります。
これらの変化は、ホルモンの影響や体内で起こる出来事によるものです。
以下に、受精から着床までの間に見られる主な体調の変化を説明しますね。

  • 排卵時の症状
    排卵時に、一部の女性は下腹部に軽い痛みを感じることがあります。これは「排卵痛」と呼ばれ、卵巣から卵子が放出される際に起こります。また、排卵が近づくと、おりもの(頸管粘液)が増え、透明で卵白のように伸びる状態になります。これは、精子が卵子に到達しやすくするためです。
  • 受精後の症状
    受精直後は、ほとんどの女性が特別な体調の変化を感じません。受精は卵管内で静かに行われるため、体外からは分かりにくいです。
  • 受精卵の移動と細胞分裂
    受精卵が子宮に向かって移動する間に、軽い疲労感を感じることがありますが、ほとんどは無症状です。
  • 胞胚の形成と子宮内膜への到達
    胞胚が子宮内膜に到達し、着床する準備をしている間に、軽い腹痛や腰痛を感じることがあります。これは、子宮内膜が変化し、受精卵を迎える準備をしているためです。
  • 着床時の症状
    一部の女性は、着床が起こる際に少量の出血を経験することがあります。これは「着床出血」と呼ばれ、通常は軽い出血で数日間続くことがあります。着床が成功すると、軽い腹痛を感じることがあります。これは、胚が子宮内膜にしっかりと定着する際のものです。
  • 着床後の症状
    妊娠ホルモン(hCG)の分泌が始まり、体が妊娠を維持するための準備を始めるため、疲労感を感じることがあります。また、ホルモンの変化により、胸が張る感じや敏感になることがあります。一部の女性は、ホルモンの変化により軽い吐き気を感じることがありますが、これは通常妊娠初期の症状として現れることが多いです。

受精から着床までのおりものの変化

おりもの(頸管粘液)は、女性の体内で起こる変化を示す重要なサインです。
受精から着床までの間に、おりものの状態は以下のように変化します。

  • 排卵期のおりもの
    排卵が近づくと、おりものの量が増え、透明で卵白のように伸びる状態になります。この時期のおりものは、精子が卵子に到達しやすいようにするためのものです。
    量が増える:通常よりも多くのおりものが見られます。
    透明で伸びやすい::指で引っ張ると卵白のように伸びます。これは、精子が子宮内を移動しやすくするためです。
  • 排卵後のおりもの
    排卵が終わると、おりものの状態が変わります。
    粘り気が減る:排卵期のような伸びる性質は少なくなります。
    量が減る:おりものの量が減少し、乾燥した感じになることがあります。
    色が変わることも:おりものが白っぽく濁ったり、クリーム色になることがあります。
  • 着床時のおりもの
    着床が起こると、おりものにさらに変化が見られることがあります。
    着床出血:一部の女性は、着床時に少量の出血を経験することがあります。これが混じることで、おりものに薄いピンク色や茶色が見られることがあります。
    増加することも:着床が成功すると、一時的におりものの量が増えることがあります。
  • 着床後のおりもの
    着床が完了すると、妊娠初期に特有のおりものの変化が見られることがあります。
    量が増える:妊娠初期には、ホルモンの影響でおりものの量が増えることがあります。
    白っぽくなる:おりものが白っぽくクリーム色になることがあります。これは、体が妊娠を維持するためにホルモンバランスを調整しているサインです。

受精から着床までに気を付けること 食べものは?

受精から着床までの期間は非常に繊細です。
受精卵が無事に着床し成長を始めるためにいくつかの点に気を付けることが大切です。

  • ストレスを減らす
    リラックスする:ストレスはホルモンバランスに影響を与え、妊娠の成功率を下げることがあります。リラックスする時間を持つようにしましょう。
    十分な睡眠:質の良い睡眠を取ることで、体のバランスを保ちやすくなります。毎晩7〜8時間の睡眠を心がけてくださいね。
  • 適度な運動
    軽い運動:適度な運動は血行を良くし、体全体の健康を保つのに役立ちます。ウォーキングやヨガなどの軽い運動を取り入れるのがおすすめです。
    過度な運動は避ける:激しい運動はストレスを増やし、ホルモンバランスを崩すことがあるため、避けるようにしましょう。
  • カフェインとアルコールの摂取を控える
    カフェイン:過剰なカフェインの摂取は、妊娠の成功率に悪影響を与える可能性があります。コーヒーやエナジードリンク、紅茶などのカフェイン含有飲料は控えめにしましょう。
    アルコール:アルコールも避けるべきです。アルコールはホルモンバランスに影響を与え、妊娠の成功率を低下させることがあります。
  • 受精から着床までにおすすめの食べ物
    この期間には、バランスの取れた食事が大切です。
    葉酸を含む食品
    ほうれん草やブロッコリー:葉酸は細胞分裂を助ける重要な栄養素です。
                  緑の葉野菜には多くの葉酸が含まれています。
    オレンジやいちご:果物にも葉酸が豊富に含まれています。
    鉄分を含む食品
    赤身の肉やレバー:鉄分は血液の生成を助け、体全体に酸素を運ぶのに役立ちます。
    ・豆類:鉄分を多く含む植物性食品です。
    良質な脂肪を含む食品
    アボカドやナッツ:良質な脂肪はホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
    ・オリーブオイル:調理に使う油をオリーブオイルにすると、健康的な脂肪を摂取できます。
    ビタミンCを含む食品
    ・柑橘類やキウイフルーツ:ビタミンCは免疫力を高め、体の調子を整えます。
    ・パプリカやブロッコリー:野菜にもビタミンCが豊富です。
    全粒穀物
    玄米や全粒パン:全粒穀物は食物繊維やビタミンB群が豊富で、体の調子を整えるのに役立ちます。

さいごに

いかがでしたか?受精から着床までの流れや気を付けることへの理解は深められたでしょうか?妊活についての情報を集め、自分の体について理解を深めようとする姿勢、その一つ一つの行動があなたの未来を明るくする大切なステップです。自分を信じて、その努力を続けてくださいね。あなたの未来にはたくさんの幸せが待っていると私も信じています。応援しています!

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