【現役助産師解説】妊娠中の食事完全ガイド!食べて良いもの&避けたい食品リスト

妊娠生活

妊娠中ってどんなものを食べればいいの?自分が食べたものが赤ちゃんにダイレクトに影響すると考えると不安だし心配になる。

妊娠中に避ける食べ物にはどんなものがあるの?詳しく教えてほしい。

 このような疑問を解決していきます。

総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる

妊娠中は、赤ちゃんがすくすく育つために、ママの体が大きく変わる時期です。そのため、毎日の食事がとても大切になります。食事からどんな栄養を摂るかによって、赤ちゃんの成長はもちろん、お母さんの体調や健康にも大きな影響を与えます。しかし、「何をどれくらい食べればいいの?」と不安や疑問に思うことも多いのではないでしょうか?
この記事では、妊娠中に必要な栄養素や、食事の取り方についてわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

妊娠中の食事が赤ちゃんに与える影響とは?

妊娠中の食事が赤ちゃんに与える影響は、とても繊細で大切です。ママがどんな食事を選ぶかが、赤ちゃんの体や心の成長にしっかりと結びついています。ここからは妊娠時期別にどのようなことに気をつけたらよいか、詳しく解説していきます。

妊娠初期(0〜3ヶ月)

この時期は、赤ちゃんの脳や神経系が急速に発達する時期です。赤ちゃんはまだとても小さいですが、将来の成長に必要な大切な基盤がこの時期に作られます。つわりで体調が優れないことも多いかと思いますが、無理をせずに体が受け入れられるものを少しずつ取り入れてくださいね。

  • 葉酸を意識して
    葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄の発達に欠かせない栄養素です。不足すると神経管閉鎖障害などのリスクが高まるため、妊娠初期から意識的に摂取しましょう。緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス)や、葉酸サプリを取り入れると安心です。
  • 無理をしない
    つわりが辛いときは、無理に栄養バランスを考えるよりも、食べられるものを少しでも摂ることが大切です。炭水化物(クラッカーやお米)や水分をしっかり摂って、体が楽になるようにしてあげてください。冷たいものや酸味のあるものが食べやすい場合もあります。
  • 水分補給を忘れずに
    つわりがあると、食べ物だけでなく水分も摂りにくくなることがありますが、こまめに水や薄めたスポーツドリンクを少しずつ飲むことで、体が楽になります。

妊娠中期(4〜6ヶ月)

この時期になると、つわりが治まり、食欲が戻ってくることが多いです。赤ちゃんは急速に成長し、骨や筋肉が発達し始めます。ママの体も変化を感じる時期ですが、バランスの良い食事を楽しんでいきましょう。

  • カルシウムをしっかり摂
    赤ちゃんの骨や歯が形成されるため、カルシウムが欠かせません。乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)や小魚、大豆製品を日々の食事に取り入れると、赤ちゃんの成長を支えられます。
  • 食べ過ぎに気をつける
    妊娠中期は食欲が増えることがありますが、食べ過ぎには気をつけながら、バランスよく食事を楽しむことが大切です。おやつを楽しむなら、ナッツやフルーツなど栄養価の高いものを選ぶと良いですね。
  • 鉄分の摂取も大切
    この時期は、赤ちゃんの血液を作るため、ママも鉄分をしっかり摂ることが大切です。赤身の肉やレバー、ほうれん草、プルーンなどが良い鉄分源です。また、ビタミンCを含む食材(柑橘類やピーマン)と一緒に摂ると、鉄分の吸収が良くなりますよ。

妊娠後期(7〜9ヶ月)

この時期になると、赤ちゃんの成長がぐっと進み、体重が増えてきます。ママの体にも負担がかかりやすくなるため、消化の良い食事や体調管理がますます大切になります。

  • タンパク質をしっかり摂
    赤ちゃんの筋肉や臓器の発達を支えるため、タンパク質をしっかり摂ることが大切です。鶏肉や魚、大豆製品、卵を日常的に取り入れ、消化に良いものを選ぶとママの体も楽になります。
  • 塩分を控えめに
    妊娠後期はむくみやすくなるので、塩分を控えめにすることが大切です。野菜中心の食事や、薄味のスープを取り入れ、むくみを予防しましょう。むくみが気になるときは、カリウムが豊富なバナナやキウイもおすすめです。
  • 水分補給も忘れずに
    お腹が大きくなると胃が圧迫され、食事量が減ることがあります。ただ、水分はしっかり摂るようにしてください。体の巡りが良くなり、赤ちゃんにも十分な栄養が届きます。

妊娠中に摂るべき栄養素のまとめ

妊娠中は、初期・中期・後期それぞれの時期に合わせた食事が大切ですが、どの時期でも共通して意識してほしい栄養素があります。

葉酸

葉酸は、赤ちゃんの脳や神経系が発達するために必要で、神経管閉鎖障害のリスクを減らす役割があります。妊娠初期から十分な量の葉酸を摂ることが大切です。

  • 多く含む食材
    ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、レバー、枝豆など。
  • おすすめの摂取方法
    毎日の食事に緑黄色野菜を取り入れ、足りない分はサプリメントで補うのも良いです。

鉄分

妊娠中は、赤ちゃんの成長とママ自身の血液量が増えるため、鉄分が必要です。鉄分が不足すると貧血になりやすくなり、ママの体にも負担がかかります。

  • 多く含む食材
    赤身の肉、レバー、ほうれん草、豆類、プルーンなど。
  • おすすめの摂取方法
    ビタミンCを一緒に摂ることで、鉄分の吸収が良くなります。柑橘類やピーマンをプラスして食べると効果的です。

カルシウム

赤ちゃんの骨や歯が発達するために必要なカルシウムは、妊娠中に意識して摂りたい栄養素の一つです。カルシウムが不足すると、ママの体からカルシウムが使われ、ママ自身の骨や歯が弱くなってしまうことがあります。

  • 多く含む食材
    乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など。
  • おすすめの摂取方法
    牛乳やヨーグルトを毎日の食事に取り入れたり、小魚や豆腐を使った料理を楽しむのがおすすめです。

タンパク質

タンパク質は、赤ちゃんの筋肉や臓器が発達するために必要不可欠な栄養素です。妊娠中はタンパク質の必要量が増えるので、しっかりと摂るように心がけましょう。

  • 多く含む食材
    鶏肉、魚、大豆製品、卵、ナッツ類など。
  • おすすめの摂取方法
    日々の食事に鶏肉や魚を取り入れ、豆腐や納豆などの大豆製品も上手に使いながらバランスよく摂っていきましょう。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける役割があり、赤ちゃんの骨の発達にも大切です。また、ママの免疫力を高める効果も期待できます。

  • 多く含む食材
    魚類(サケ、イワシ)、卵、キノコ類など。
  • おすすめの摂取方法
    魚や卵を積極的に食事に取り入れてくださいね。日光浴をして体内でビタミンDを生成するのもいいですよ。

妊娠中に避けるべき食品・食材

これまで、赤ちゃんとママの健康を支えるために摂りたい栄養素についてお話ししましたが、妊娠中は避けた方が良い食品や食材もあります。赤ちゃんの安全を守るために、少しだけ気をつけたいポイントがあるので、一緒に見ていきましょう。

  • アルコール
    妊娠中のアルコール摂取は、赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるため、完全に避けることが推奨されています。アルコールは胎盤を通じて赤ちゃんに届き、発育に影響を与える可能性があるので、ママのためにも赤ちゃんのためにもお酒は控えましょう。
  • カフェイン
    カフェインも、過剰に摂取すると赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、控えめにすることが大切です。特にコーヒーや紅茶、チョコレートなどに含まれるカフェインは、適度な量を守りつつ、無理なく楽しんでくださいね。
  • 生魚や生肉
    生の魚や肉には、食中毒や感染症のリスクがあります。特に、生魚には寄生虫が含まれている可能性があるため、しっかりと加熱されたものを選ぶと安心です。また、生肉やレアステーキも避けることで、リステリア菌やトキソプラズマの感染を防ぐことができます。
  • ナチュラルチーズや生乳製品
    未殺菌の生乳を使ったナチュラルチーズ(ブルーチーズやブリーなどの軟らかいチーズ)は、リステリア菌という細菌に感染するリスクがあります。リステリア菌は、赤ちゃんに深刻な健康問題を引き起こすことがあるため、避けるのが安心です。
  • 大型魚の摂取に注意
    マグロやカジキなどの大型魚は、体内に水銀が蓄積されやすい特徴があります。水銀は赤ちゃんの脳や神経系に影響を与える可能性があるため、大型魚の摂取量には気をつけましょう。ただし、魚は栄養豊富なので、サケやサバなどの小型魚は安心して楽しんでくださいね。
  • 生卵や加熱不十分な卵
    生卵や半熟卵には、サルモネラ菌が含まれている可能性があります。食中毒のリスクを避けるために、卵はしっかりと火を通して食べるようにしましょう。特に、生の卵を使ったマヨネーズやアイスクリームなどは避けると安心です。
  • 加工肉(ハムやソーセージ)
    加工肉には保存料や添加物が多く含まれていることがあります。また、加熱不十分な加工肉にはリステリア菌のリスクがあるため、食べる際にはしっかりと加熱したものを選ぶようにしましょう。

妊娠中の食事と生活習慣

  • 規則正しい食事時間と量のコントロール
    妊娠中は、食事の時間をできるだけ規則正しくすることで、体の調子が整いやすくなります。1日3食を目安に、無理のない範囲でバランスの良い食事を心がけましょう。お腹が大きくなると一度に食べられる量が少なくなることもあるので、その時は4〜5回に分けて少しずつ食べるのも良いですね。
  • 食欲が増すとき、減るときの対処法
    妊娠中は、ホルモンの影響や体の変化で、食欲が増えたり減ったりすることがあります。食欲が増す時期は、野菜やタンパク質を中心にバランスの取れた食事を心がけて、間食はナッツやヨーグルト、フルーツなどヘルシーなものを選ぶのがおすすめです。逆に食欲が落ちてしまったときは、無理せずに消化の良いスープやフルーツなど、食べやすいものを少しの量でもよいので摂るようにしてみてください。
  • 妊娠中の体重管理と食事の関係
    妊娠中に体重が増えるのは自然なこと。ただ急激な体重増加は体に負担をかけてしまうこともあります。適度なカロリーを摂りつつ、栄養バランスを意識することが大切です。野菜や果物、タンパク質をしっかり摂りながら、脂っこいものや甘いものは控えめにしましょう。また、定期的に体重をチェックして、体調に合わせて食事の内容を調整してみてくださいね。
  • 外食・中食時に気をつけること
    外食やテイクアウトをする機会があるときも、ちょっとした工夫で安心して食事を楽しめます。まずは、塩分や油分が多いメニューを控えて、できるだけ野菜やタンパク質を摂れるメニューを選びましょう。蒸し料理や焼き料理、スープなどもおすすめです。また、生魚や生肉などは避けて、しっかり加熱されたものを選ぶと安心です。飲み物はノンカフェインのお茶やお水を選びましょう。

妊娠中の食事に関しては、いろいろと心配や悩みが出てくるかもしれません。でも、ママのペースで少しずつ進めていくことが一番です。完璧を目指さず、できる範囲で取り組めば大丈夫です。この記事が、食事に迷ったときや不安になったときに、少しでもお役に立てれば嬉しいです。これからも赤ちゃんとのかけがえのない時間を大切にしながら、リラックスして過ごしてくださいね。

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