最近頭痛がひどい。これって大丈夫?赤ちゃんへの影響も心配になる。
頭痛がまたいつ出てくるかわからないけど、対処方法を知っておきたい。妊娠中でも飲めるお薬ってある?
このような疑問を解決していきます。
総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる
妊娠中に頭痛が続くと、本当に大変ですよね。毎日のように感じる頭痛に、不安やストレスを抱えている方も多いかと思います。
妊娠中の体の変化に伴う頭痛は、さまざまな要因が重なって引き起こされます。
この記事では、妊娠中の頭痛の原因を丁寧に解説し、少しでも快適に過ごせるための対処法をお伝えします。あなたが安心して妊娠生活を送れるよう、一緒に解決策を見つけていきましょう。
妊娠中の頭痛がひどい原因とは?
妊娠中、急に頭がズキズキしたりこめかみが痛んだりすると、不安になりますよね。
ここでは、妊娠中に頭痛がひどくなる主な原因について詳しく解説します。
- ホルモンの変化
妊娠中に増えるプロゲステロンというホルモンにより、血管が広がったり収縮したりすることがあり、これが頭痛を引き起こすことがあります。
- ストレスと疲れ
妊娠中は、体が新しい命を育むために多くのエネルギーを使います。そのため、疲れやすくなったり、ストレスを感じやすくなったりします。疲れやストレスがたまると、筋肉が緊張して頭痛を引き起こすことがあります。特に、肩や首の筋肉が緊張すると、頭痛の原因になることが多いです。
- 血圧の変動
妊娠中は血圧が変動しやすくなります。血圧が高くなると、頭痛が起こりやすくなります。逆に、血圧が低くなっても、めまいや頭痛を感じることがあります。
- 脱水症状
妊娠中は、普段よりも多くの水分が必要になります。十分な水分を取らないと、脱水症状を起こしやすくなり、脱水症状が進むと、頭痛がひどくなることがあります。
- 睡眠不足
妊娠中は、睡眠の質が変わることがあります。夜中に何度も目が覚めたり、深い眠りが取れなかったりすることが増えます。睡眠不足が続くと、体が疲れて頭痛を引き起こしやすくなります。
妊娠中の頭痛はいつから始まる?初期のサインをチェック
妊娠中の頭痛はいつから始まるのか気になりますよね。
妊娠期間ごとに、頭痛がどのような原因で起こるのかを一緒に見ていきましょう。
- 妊娠初期
だいたいは、妊娠初期(〜妊娠15週)までに頭痛が始まります。
頭痛を感じることが多いのは、妊娠4週目から8週目です。この時期は、体内でホルモンの変化が急激に進み、体が妊娠に適応しようとしています。このホルモンの変化が頭痛を引き起こす主な原因の一つになります。
- 妊娠中期
妊娠中期(16〜27週)になると、一部のママは頭痛が和らぐことがありますが、この時期にも頭痛を感じることがあります。妊娠中期の頭痛の原因は、ストレスや疲労、血圧の変動、血糖値の変動などです。
- 妊娠後期
妊娠後期(28週〜)にも頭痛が続くことがあります。妊娠後期の頭痛は、体重の増加や血圧の上昇、ストレスや疲労などが原因となることがあります。また、お腹が大きくなることで睡眠が浅くなり、睡眠不足から頭痛を感じることもあります。
妊娠初期の頭痛と流産の関係は?不安を解消するために
妊娠初期に頭痛を感じると、流産との関係を心配されるかもしれません。
しかし、頭痛はホルモンの変化や体の調整過程で起こるものであり、流産の兆候でも原因でもありません。
妊娠中の体の変化を理解しながら、ゆっくりとリラックスして過ごしてくださいね。
ただ、頭痛と共に次のような症状が出てくる場合は少し心配です。
- 強い腹痛
普通の軽い痛みではなく、耐えられないほどの強い痛みがあるとき。
- 出血
少量の出血は妊娠初期にはよく見られますが、大量の出血があるとき。
- 発熱や悪寒
感染症の兆候である可能性があります。
- 強いめまいや意識の混濁
通常のめまいよりも深刻で、日常生活に支障をきたすとき。
これらの症状があるときは、すぐにかかりつけの医師に連絡してください。
妊娠中期の頭痛の原因は?
これまで、妊娠全期間を通しての頭痛についてお話ししてきましたが、ここからは「妊娠中期」に焦点を当ててお話ししますね。妊娠中期に頭痛がある場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?いくつかの原因について詳しく見ていきましょう。
- ホルモンの変化
妊娠中期でもホルモンの変化は続いています。特にエストロゲンとプロゲステロンというホルモンが増え続けており、この変化が頭痛を引き起こす原因の一つです。ホルモンの影響で血管が広がったり収縮したりすることで、頭痛が起こることがあります。
- 血圧の変動
妊娠中期には血圧が変動しやすくなることがあります。血圧が高くなったり低くなったりすることで、頭痛を感じることがあります。特に高血圧は、頭痛の原因になることがありますので、定期的に血圧を測ることが大切です。
- ストレスと疲れ
妊娠中期は、体が赤ちゃんの成長に合わせて変化していく時期です。そのため、ストレスや疲労がたまりやすくなります。ストレスや疲れがたまると、筋肉が緊張して頭痛を引き起こすことがあります。リラックスする時間を持つことが大切です。
- 姿勢の変化
妊娠中期になるとお腹が大きくなり始め、体の重心が変わります。この姿勢の変化が首や肩に負担をかけることがあり、その結果として頭痛が起こることがあります。姿勢に気をつけ、適度な運動やストレッチを行うことで、頭痛を和らげることができます。
- 貧血
妊娠中は鉄分の必要量が増えるため、貧血になりやすくなります。貧血になると、酸素が十分に運ばれず、頭痛を引き起こすことがあります。鉄分を含む食事を心がけることが大切です。
- 脱水症状
妊娠中は体が多くの水分を必要とします。十分な水分を摂らないと、脱水症状を引き起こしやすくなり、頭痛の原因になることがあります。こまめに水分を摂るよう心がけましょう。
妊娠中の頭痛を和らげる方法:効果的な対処法まとめ
ここからは、妊娠中に頭痛を感じたときに実践できる、簡単で効果的な対処法をご紹介します。
日常生活に取り入れて痛みのない快適なマタニティライフを送りましょう。
- 十分な休息を取る
妊娠中は体が多くのエネルギーを使います。十分な休息を取ることで、体をリフレッシュさせ、頭痛を和らげることができます。横になって目を閉じるだけでも効果があります。お昼寝を取り入れるのも良いですね。
- 水分をしっかり摂る
脱水は頭痛の原因になることがあります。こまめに水分を摂取しましょう。水やハーブティー、薄めたフルーツジュースなど、カフェインが少ない飲み物がおすすめです。1日に1.5~2リットルの水分を目安にしましょう。
- バランスの良い食事を心がける
規則正しい食事を心がけ、栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切です。特に、鉄分やビタミンを豊富に含む食事を意識しましょう。貧血が原因で頭痛が起こることもあるので、ほうれん草やレバー、赤身の肉などを取り入れると良いです。
- リラックスする時間を持つ
ストレスがたまると頭痛がひどくなることがあります。リラックスする時間を持つことで、ストレスを軽減し、頭痛を和らげることができます。深呼吸や軽いストレッチ、ヨガなどを試してみましょう。また、お風呂にゆっくり浸かることもリラックス効果があります。
- 冷やす
頭痛がある部分を冷やすことで、痛みを和らげることができます。冷たいタオルやアイスパックを使って、こめかみや首の後ろを冷やしてみてください。
- 姿勢に気をつける
姿勢が悪いと、首や肩に負担がかかり、頭痛を引き起こすことがあります。長時間同じ姿勢を続けないようにし、定期的に姿勢を変えるよう心がけましょう。また、座るときには背筋を伸ばし、足を床にしっかりつけるようにしましょう。
- 適度な運動を取り入れる
軽い運動は血流を良くし、頭痛を和らげるのに効果的です。ウォーキングや妊婦さん向けのヨガ、軽いストレッチなどを取り入れてみましょう。無理のない範囲で、毎日少しずつ体を動かすことが大切です。
- アロマテラピー
アロマテラピーも頭痛を和らげるのに役立ちます。ラベンダーやペパーミントのエッセンシャルオイルを使ってリラックスしましょう。ディフューザーで香りを楽しんだり、薄めたオイルをこめかみに軽く塗ったりすると良いです。
- 十分な睡眠を取る
睡眠不足は頭痛の原因になります。できるだけ規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠を取るよう心がけましょう。寝る前にリラックスすることで、より良い睡眠が取れます。
妊娠中に使える頭痛薬の選び方と注意点
妊娠中に頭痛を感じることがあると「薬を使って楽になりたい」と思うことがありますよね。
妊娠中に使える頭痛薬を選ぶときには、いくつか注意点があります。
ここでは、妊娠中に使える頭痛薬の選び方とその注意点について紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
妊娠中に使える頭痛薬の選び方
妊娠中に安全とされている薬:アセトアミノフェン(商品名:カロナール)
アセトアミノフェンは、痛みを和らげる効果があり、比較的安全に使うことができます。
アセトアミノフェンを使用する際は、必ずパッケージに記載されている用法・用量を守りましょう。過剰に摂取すると肝臓に負担がかかることがあります。
鎮痛薬は、頭痛がひどい時やどうしても辛い時にのみ使用するようにし、できるだけ頻繁に使わないようにしましょう。
妊娠中の頭痛薬の注意点
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を避ける
イブプロフェンやアスピリンは、妊娠中には避けるべき薬です。特に妊娠後期には、これらの薬が赤ちゃんや出産に影響を与える可能性があります。
- 自然療法を試す
薬を使わずに頭痛を和らげる方法も試してみてください。例えば、十分な水分を摂る、休息を取る、冷やす、リラックスするなどの方法があります。これらの方法は、副作用がないため安心して試すことができます。
妊娠中の頭痛と水分不足の関係:対策と予防法
妊娠中の水分不足は、血液の流れを悪くしたり、血圧の変動を引き起こすことがあり、その結果として頭痛の原因になることがあります。水分不足を防ぐためには、日常生活で意識的に水分を摂ることが大切です。ここからは、水分を十分に摂るための具体的な対策をご紹介しますね。
- こまめに水を飲む
一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに少量ずつ水を飲むようにしましょう。例えば、毎時間少しずつ水を飲むことで、1日の水分摂取量を確保できます。
- 水分の多い食べ物を摂る
果物や野菜には多くの水分が含まれています。スイカやオレンジ、キュウリなど、水分の多い食べ物を積極的に摂ることで、自然に水分補給ができます。
- カフェインを控える
カフェインには利尿作用があり、体から水分が失われやすくなります。コーヒーや紅茶、カフェインを含むソフトドリンクは控えめにし、代わりに水やハーブティーを飲むようにしましょう。
- 飲み物のバリエーションを楽しむ
水だけでなく、ハーブティーやフルーツジュース、薄めたスポーツドリンクなど、いろいろな飲み物を楽しむことで、水分補給が楽しくなります。特に妊娠中は味覚が変わることがあるので、いろいろ試してみてくださいね。
- 日常生活に取り入れる
水分補給を習慣にするために、日常生活に取り入れる工夫をしましょう。例えば、いつも使うバッグに水筒を入れておく、仕事や家事の合間に水を飲む時間を作るなど、意識的に水分を摂るようにすると良いですよ。
妊娠初期の頭痛が寝ても治らない時の対処法
妊娠初期の頭痛を治すためにゆっくり寝て過ごしたのに、症状が改善しないと心配になりますよね。でも、妊娠初期の頭痛が寝ても治らないのには、いくつかの理由があります。
妊娠初期の頭痛が続くのは、ホルモンの変化、ストレスと疲れ、血糖値の変動、水分不足、睡眠の質、そして姿勢の問題など、さまざまな原因が絡み合っているためです。これらの要因が複雑に影響しあい、頭痛を引き起こすことがあります。
今回ご紹介した頭痛の対処方法を日常生活に取り入れることで、少しでも楽に過ごせるようになるかもしれません。体調が優れないときは無理をせず、休息を取りながら、自分の体を大切にしてくださいね。安心してマタニティライフを楽しんでいただけるよう、心から願っています。
頭痛の終わるサインを見極めよう
頭痛が続いていると、「いつ終わるんだろう」と心配になることがありますよね。でも、大丈夫です。ここでは、つわりと頭痛が終わるサインを見極める方法についてお伝えしますね。
- 頭痛の頻度が減る
頭痛が終わるサインとして、頭痛の頻度が減ってくることが挙げられます。頭痛が毎日のように続いていたのが、徐々に間隔が空くようになると、頭痛が和らいできている証拠です。
- 頭痛の強さが和らぐ
頭痛の強さが和らいでくることも、終わるサインの一つです。強い痛みが続いていたのが、軽い痛みに変わってきた場合、頭痛が改善されつつあると考えられます。
- 他の症状が改善される
頭痛と一緒に感じていた他の症状(例えば、吐き気やめまいなど)が改善されてくると、頭痛も終わりに近づいているサインです。体全体の調子が良くなってくると、頭痛も自然と和らいでくることが多いですよ。
この記事が少しでも助けになれば幸いです。体調が悪い時は、無理せずゆっくり休んでくださいね。もし不安なことがあれば、いつでも医師に相談して安心してください。
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