【現役助産師解説】妊娠検査薬 完全マニュアル:正しい使い方と結果の読み方

妊娠生活

妊娠検査薬っていつから使えるの?検査結果の読み方も教えてほしい。

妊娠検査薬を使ってみたけど、陽性なのか微妙..どうしたらいい?検査結果を確認した後のステップについても詳しく教えてほしい。

 このような疑問を解決していきます。

総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる

妊娠検査薬を使う瞬間は、ドキドキしますよね。結果が出るまでの短い時間に、期待や不安が交差して、いろいろな思いが巡ることもあると思います。この記事では、妊娠検査薬の仕組みや正しい使い方、そして結果の読み方までを現役助産師が分かりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

妊娠検査薬とは?

妊娠検査薬は、女性が妊娠したかどうかを確認するために使う道具です。妊娠すると、体内で「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが分泌されます。このホルモンは、妊娠が成立すると急激に増えるため、妊娠検査薬は尿の中に含まれるhCGを検出することで妊娠の有無を確認する仕組みになっています。

妊娠検査薬の使用タイミング

妊娠検査薬を使うタイミングは、正確な結果を得るために大事なポイントです。検査薬は「hCG」というホルモンを検出して妊娠を確認します。このホルモンは妊娠すると体の中で増えていくのですが、まだ十分に増えていない時期に検査をすると、結果が出にくいことがあります。

一番確実なタイミングは、生理予定日から1週間後です。この時期には、hCGの量が十分に増えているので、妊娠しているかどうかが分かりやすくなります。

また、検査をするときは、朝起きた直後の尿が一番おすすめです。この時間の尿はhCGが多く含まれているので、正確な結果が出やすいです。

妊娠検査薬の判定結果

妊娠検査薬を使うとき、結果を見る瞬間は少しドキドキしますよね。陽性か陰性か、どのように確認するのかをあらかじめ知っておくと、結果が出たときに落ち着いて受け止められます。ここからは、陽性・陰性の見方や、判定が曖昧なときに次取るべき行動についてお話ししていきます。

陽性・陰性の判定の見方

妊娠検査薬の結果は、「陽性」か「陰性」で判定されます。

  • 陰性
    妊娠していない可能性が高い状態です。この場合、判定窓に線や記号が表示されないか、指定された表示が出ます。
  • 陽性
    妊娠している可能性が高い状態です。検査薬の窓に、線や記号が表示されます。

うっすら陽性、濃い陽性の違い

陽性の結果が出た場合、線の濃さに違いがあることがあります。

  • うっすら陽性
    hCGホルモンの濃度が低いと、線が薄くなることがあります。妊娠初期でホルモンの量が少ないときに起こりやすいです。この場合でも、妊娠の可能性は高いので、数日後に再度検査をすると、より濃い線が出るかもしれません。
  • 濃い陽性
    hCGホルモンの量が十分に増えていると、線がはっきりと濃く出ます。妊娠が確実である可能性が高い状態です。

偽陽性・偽陰性の原因と対処法

検査結果が陽性や陰性でも、実際には違う場合があることがあります。これを「偽陽性」や「偽陰性」と言います。

  • 偽陽性(妊娠していないのに陽性が出る)
    • 妊娠初期に流産が起きた場合
    • hCGを含む薬を使用している場合
    • 妊娠検査薬の使用期限が過ぎていた場合
      → 対処法:偽陽性が疑われる場合は、もう一度検査するか、医師に相談して確認しましょう。
  • 偽陰性(妊娠しているのに陰性が出る)
    • 検査が早すぎた場合(hCGホルモンが十分に増えていない)
    • 尿が薄く、hCGが検出されにくい場合(検査前に大量の水を飲んだなど)
      → 対処法:数日後に再度検査を行うか、医師に相談して正確な診断を受けましょう。

判定が曖昧なときに取るべき対応

判定結果が不明瞭だったり、線がはっきりしない場合は、次のことを試してみてください。

  • 再度検査を行う
    曖昧な結果が出たときは、数日待ってから再度検査を行うと、hCGの濃度が上がり、はっきりした結果が出ることがあります。
  • 朝一番の尿を使う
    hCGの濃度が高い朝一番の尿を使うと、判定が正確に出やすいです。
  • 医師に相談する
    結果が曖昧で不安なときは、産婦人科を受診して正確な診断を受けると安心です。

妊娠検査薬の選び方

妊娠検査薬は、たくさんの種類があるので、どれを選べば良いのか迷ってしまうこともありますよね。自分に合った検査薬を選ぶことは、正確な結果を得るためにとても大切です。この章では、それぞれの妊娠検査薬の特徴や違いを分かりやすくお伝えし、どの検査薬があなたにぴったりか、選ぶ際のポイントをお話しします。

  • スティックタイプ
    スティックタイプは、もっとも一般的な妊娠検査薬です。スティックの先端に尿を直接かけるか、尿に浸すことで結果を確認します。結果が出る部分に線や記号が表示されるので、見やすく使いやすいのが特徴です。
  • カセットタイプ
    カセットタイプは、尿を別の容器に一度取り、その中から専用のスポイトでカセット部分に数滴の尿を垂らして結果を確認するタイプです。尿を別容器に取るので、より正確に検査ができます。
  • 早期妊娠検査薬
    早期妊娠検査薬は、hCGホルモンを少ない量でも検出できるように作られており、生理予定日よりも前に使えるものもあります。(2023.9国内で販売される唯一の早期妊娠検査薬が販売中止となり、国内で入手するのは難しくなっています)
  • デジタルタイプ
    デジタルタイプは、検査結果が「妊娠」または「非妊娠」と文字で表示されるタイプです。従来の線や記号での判定がわかりにくいと感じる人には、よりはっきりとした結果が得られるため安心感があります。

妊娠検査薬の値段

妊娠検査薬は1000円前後で手に入ることが多いです。
現在(2024年7月)、Amazonでお手頃に購入できる妊娠検査薬を、いくつかご紹介しますね。
薬局などでも購入できるので、自分に合った方法で手に入れて試してみてください。
p-チェック:288円
ウーマンチェック:424円
ドゥーテスト:659円

妊娠検査薬陽性確認後のステップ

妊娠検査薬で陽性が確認できたら、次のステップが大切です。陽性が出たからといってすぐにすべてが確定するわけではないので、焦らずに一つずつ確認していきましょう。以下のステップを参考にしてくださいね。

  • STEP1.産婦人科を受診する
    陽性反応が確認できたら、できるだけ早めに産婦人科を受診しましょう。通常、妊娠が確認できるのは妊娠5週目以降で、赤ちゃんが超音波検査で確認できるようになります。最初の受診は、通常妊娠6週目ごろが目安です。胎嚢(赤ちゃんを包む袋)や心拍が確認できると、妊娠が順調に進んでいるかどうかがわかります。
  • STEP2.妊娠初期の生活に気をつける
    妊娠が確認できたら、生活習慣に少し気をつける必要があります。特に以下の点に注意してください。
    • アルコールやタバコは避ける
      妊娠中にアルコールやタバコは赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、控えましょう。
    • 無理な運動や重いものを持たない
      特に妊娠初期は流産のリスクが高まるため、無理な運動や負担のかかることは避けましょう。
    • バランスの良い食事を心がける
      妊娠中は赤ちゃんに栄養を送るため、特に葉酸や鉄分、カルシウムなどを意識して摂るようにしましょう。
  • STEP3.妊娠届の提出と母子手帳の取得
    妊娠が順調に進んでいると医師に確認されたら、市区町村に妊娠届を提出し、母子手帳を受け取りましょう。母子手帳は、妊婦健診や赤ちゃんの成長記録に必要な大切な書類です。
  • STEP4.定期健診を受ける
    妊娠が確認された後は、定期的に産婦人科で妊婦健診を受ける必要があります。特に妊娠初期は赤ちゃんの成長や母体の状態をしっかり確認するため、医師と相談しながら健診スケジュールを決めましょう。
  • STEP5.パートナーや家族と妊娠を共有する
    妊娠が確認できたら、パートナーや家族と喜びを共有することも大切です。一緒にサポートを受けながら、安心して妊娠生活を進めていきましょう。

妊娠検査薬についての解説が、少しでも不安を和らげるお手伝いになれば嬉しいです。妊娠は体と心にさまざまな変化をもたらしますが、焦らずゆっくり進んでいってくださいね。分からないことや不安なことがあったら、遠慮せずに専門家や大切な人に相談してみてください。これからの毎日が穏やかで、素敵な未来に向かって歩んでいけるように、心から願っています。

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