【現役助産師解説】体重が増えすぎて不安…妊娠中の適正体重と増えすぎないためのコツ

妊娠生活

妊娠中に体重が増えるのは自然なことですが、「これで大丈夫?」と心配になることもありますよね。体重が増えすぎると、健康への影響や出産への不安が増すこともあります。そんな不安を少しでも解消するために、無理なく体重を管理する具体的な方法をお伝えします。安心して快適な妊娠生活を送るためのヒントにしてみてください。

総監修:加賀みなみ 現役助産師
資格:助産師国家資格・看護師国家資格・受胎調節実施指導員・新生児蘇生法A・桶谷式乳房管理法・BSケア
大学病院・クリニック・母乳育児相談室で1万人以上のママ・赤ちゃんのケアに関わる

妊娠中の体重増加はいつから?

妊娠中の体重増加は、個人差がありますが、一般的には妊娠中期に入る頃(16週〜)から目立って増え始めることが多いです。妊娠初期(〜15週)は、つわりの影響で食欲が落ちたり、体重があまり増えない、または少し減ることもあります。ただ、つわりが軽い方は初期から体重が増えることもあるので、一人ひとり違ってきます。

妊娠中期に入ると、赤ちゃんがどんどん大きくなり、羊水や血液の量も増えてくるため、体重が増加しやすくなります。この時期から、少しずつ体重管理を意識しながら、バランスの良い食事や適度な運動を心がけると安心です。

体重が増えるペースには幅があり、無理に体重を抑えようとする必要はありません。ただ、急激な体重増加は体に負担がかかることもあるので、ゆっくりと健康的に体重が増えていくのが理想です。

妊娠中に体重が増加する理由とは?

妊娠中に体重が増えるのは、赤ちゃんが成長するために自然なことです。体重が増えると不安になることもありますが、その理由を知っておくと少し安心できるかもしれません。ここでは、妊娠中に体重が増加する具体的な理由をお伝えしますね。

  • 赤ちゃんの成長
    一番大きな理由は、もちろん赤ちゃん自身の成長です。妊娠が進むにつれて、赤ちゃんはお腹の中で大きくなり、その分ママの体重も増えていきます。妊娠後期には赤ちゃんが2.5kg〜3.5kgほどになることが多く、これは体重増加の主要な部分です。
  • 羊水や胎盤の重さ
    赤ちゃんを守る羊水や、赤ちゃんに栄養を送る胎盤も、体重増加の原因です。羊水の量は妊娠中期から後期にかけて増え、胎盤も赤ちゃんの成長を支えるために大きくなります。これらも体重増加に含まれますが、赤ちゃんの発育に欠かせないものなので、心配しないでくださいね。
  • 血液や体液の増加
    妊娠中は、ママの体が赤ちゃんに酸素や栄養を届けるために、血液や体液の量が増えます。血液量は約1.5倍になると言われていて、これも体重増加に関係します。この増加はママと赤ちゃんを健康に保つための大切な変化です。
  • 体脂肪の増加
    妊娠中は、出産や授乳に備えて、ママの体がエネルギーを蓄えようとするため、体脂肪が増えます。特にお腹や腰周りに脂肪がつきやすくなりますが、これは赤ちゃんを守り、産後の授乳のためのエネルギー源でもあるので、自然なことです。

妊娠中の体重増加の目安をシュミレーションで知る

妊娠中の体重増加は、ママの元々の体型や赤ちゃんの成長に合わせて個人差がありますが、一般的な目安を知ることで安心できると思いますよ。最近は、妊娠週数ごとの体重増加の目安を簡単にシュミレーションできるツールやアプリがあるので、上手に活用してみましょう。

シュミレーションでは、最初に現在の体重や身長を入力し、妊娠前のBMIを基に、妊娠全期間でどれくらい体重が増えるのが理想かを計算してくれます。例えば、妊娠前に痩せ型だった方は体重を多めに増やすのが理想とされており、逆に体重が多めだった方は増加を控えめにするのが望ましいとされています。

この目安を知っておくと、無理なく健康的な体重管理ができますし、急激に増えたり減ったりしないように意識することができます。ただし、シュミレーションの結果にこだわりすぎず、ママ自身の体調や赤ちゃんの成長に合わせたペースが大事です。気になることがあれば、かかりつけの医師や助産師に相談するのも安心ですね。

妊娠中に体重を増やさない方法とは

妊娠中、体重管理は気になるテーマですよね。「体重を増やさないようにしなきゃ」とプレッシャーを感じている方も多いかと思います。もちろん、赤ちゃんが育つために適度な体重増加は必要ですが、増えすぎるとママや赤ちゃんに負担がかかることもあります。そこで、無理なく健康的に体重をコントロールするための方法についてお話ししますね。

  • バランスの良い食事を心がける
    妊娠中は「赤ちゃんのために2人分食べなきゃ」と思うかもしれませんが、実際にはそこまで多くのカロリーは必要ありません。妊娠初期は特にカロリーを増やす必要はなく、中期から後期にかけても、プラス250〜350キロカロリー程度で十分です。大切なのは、何をどれだけ食べるかよりも、栄養バランスをしっかり考えた食事をすることなんです。
    炭水化物(ご飯、パン、麺類)はエネルギー源として欠かせませんが、摂りすぎると体重が増えやすくなります。適量を意識しながら、たんぱく質(お肉、魚、大豆製品)や野菜をバランス良く取り入れましょう。特に、赤ちゃんの成長に欠かせないたんぱく質や、葉酸・鉄分が豊富な緑黄色野菜(ほうれん草やブロッコリーなど)を積極的に摂るのがポイントです。空腹が辛いときには、カロリーの低いスープや野菜を活用して、満足感を得られるように工夫するのもおすすめです。
    また、妊娠中は一度にたくさん食べられなくなることもありますよね。そんなときは、1日3食にこだわらず、5〜6回に小分けして食事を摂ると、空腹を感じにくくなり、体重管理も楽になります。軽めの間食には、野菜スティックやナッツ、ヨーグルトなど、栄養価が高くてヘルシーなものがおすすめです。食事をゆっくり噛んで味わうことも、満腹感を感じやすくする大切なポイントです。
  • 食べる量をコントロールする
    食事の量を減らしすぎると、逆にストレスになってしまうことがありますよね。無理なく自分に合った量を見つけることが大切です。急に食事を制限するのではなく、少量をこまめに食べたり、食事の時間を工夫することで、無理なく体重管理ができるようになります。
    また、夜遅くに食事を摂ると、消化が遅くなり、体重が増えやすくなることがあります。夕食はなるべく早めに済ませるのが理想ですが、どうしても遅くなってしまうときは、消化に優しいスープや温かい飲み物がおすすめです。温かい飲み物はリラックス効果もあり、質の良い眠りにもつながりますよ。
  • 適度な運動を取り入れる
    体重管理には、無理なく体を動かすことが大切です。妊娠中でもできる軽い運動は、体重管理だけでなく、気分転換やストレス解消にも効果的ですよ。ウォーキングやマタニティヨガは特におすすめです。
    ウォーキングは、妊娠中に取り入れやすい運動で、お天気の良い日に外を歩くと気分もリフレッシュできますよね。大事なのは、自分が心地よいと感じるペースで歩くこと。1日20〜30分程度を目安に、無理せず楽しんで続けてくださいね。
    また、マタニティヨガやストレッチは、血行を良くし、むくみの軽減にも役立ちます。特に骨盤周りを柔軟にするポーズは、出産に向けた準備としても効果的です。自宅で簡単にできるエクササイズを取り入れて、日常に少しずつ取り組んでみましょう!

妊娠中体重が増えないのはなぜ?

妊娠中、体重が増えることが一般的だと言われる中で、なかなか増えないと心配になることもありますよね。「赤ちゃんはちゃんと育っているのかな?」「このままで大丈夫?」と不安に感じている方もいると思います。でも、体重が増えない理由にはさまざまな要因があり、必ずしも悪いことではないんです。

具体的に体重が増えない理由として考えられるものをみていきましょう。

  • つわりの影響
    妊娠初期(〜15週)には、つわりの症状で食欲が落ちたり、食べたものを戻してしまうことが多いです。そのため、十分に栄養が取れず、体重が増えないどころか、逆に減ってしまうこともあります。つわりが落ち着いてくると、自然と食欲が戻り、体重も増えてくるので心配しすぎないでくださいね。
  • 元々の体型や体質
    元々の体型や体質によって、体重が増えにくい方もいます。特に、痩せ型の方は、妊娠しても体重がすぐには増えないことがあります。ただ、赤ちゃんがしっかり成長していれば問題ないので、あまり気にしなくて大丈夫です。妊娠後期に入ると、赤ちゃんの成長に伴って体重も徐々に増えていくことが多いです。
  • 食事や生活習慣の影響
    食事の量や栄養バランス、生活習慣も体重に影響します。バランスの良い食事を心がけても、体重がなかなか増えないことがありますが、これは体質や赤ちゃんの成長具合によるものです。無理に食べる量を増やさず、少しずつ様子を見ながら栄養を摂るようにしましょう。

妊娠中の体重管理は、赤ちゃんの健康とママ自身の心と体のバランスを保つために大切なポイントです。ただし、あまり気にしすぎず、自分のペースを大事にしながら進めていきましょう。体重が増えることに不安を感じたり、逆に増えないことに心配があったりしたら、遠慮なく相談してくださいね。ママが心地よく過ごせるよう、サポートしていますので、いつでも頼ってください。

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